日本とデンマークの外交関係樹立150周年を記念して、コンテンポラリー・オペラ「影 “Skyggen”」が去る11月16日・17日の二日間、デンマーク・コペンハーゲンのアシステンス墓地のチャペルで上演されました。
これは、2011年に設立されたNPO Japanordicが企画・運営して開催されたもので、コペンハーゲン在住の作曲家・吉田文さんが、デンマークの童話作家であるハンス・クリスチャン・アンデルセンの「影(Skyggen)」を題材にしたオペラの作曲と脚本を担当し、デンマーク人アーティストのマウヌス・ピンド・ヴィエア氏と書家の中塚翠涛先生が舞台美術を担当されました。
二日間の公演で、駐デンマーク大使館の皆様、デンマークアート財団、王立歌劇場の歌手の皆さん始め、両国に関係する事業団体の方々や一般の方々がご覧になり、上演は大成功のうちに終了いたしました。
このオペラの舞台装飾としてミライフ®が採用され、スクリーン、ランタン、書道アートなどにご活用いただきました。また、今回のオペラのポスターをミライフ®に印刷し、ご来場のお客様とスタッフの皆様にお配りいたしました。

<メインスクリーンに採用されたミライフ®> メインスクリーンに使用されたミライフ®(画面左下)に映し出された映像は、ミュージシャンの声と共鳴し、会場をアンデルセンの世界へと導いた

 

書道アート

ミライフ®に直接書かれた『影』という字をモチーフにされた中塚翠涛先生の作品は、会場入口で来場者を出迎えた

チャペル内に置かれたランタン

<チャペル内に置かれたランタン> 室内の照明は、ミライフ®の光を通し方が最大限に活かされ、幻想的な空間が構築されていた

 

企画運営をされたNPO Japonordic の代表であり、作曲家である吉田文さんにご感想をうかがいました。

1.異文化の融合

-日本とデンマーク、文化の異なる両国のイメージを同一空間で表現することは容易でしたか-

異なる二つの文化を、表面的ではなく、より深いところでコラボレーションさせたいと強く感じており、そこが一番苦労した部分でした。日本の伝統的な書とビジュアルアートをどのようにコラボレーションさせるか、また、同時にどのように表現するか、この課題を書家の中塚翠涛先生とビジュアルアーティストのマウヌスさんと熟考できた時間は、本当に有意義な時間でもありました。

-アンデルセンの「Skyggen(影)」を、なぜ、オペラの題材に選ばれたのでしょうか-

この作品は、童話作家アンデルセンが残した唯一のダークファンタジーです。主人公である「学者」の影が自分を離れて旅をし、自分よりも社会的に立派になった影が、最後には自分を殺してしまいます。

アンデルセンの生まれ育ったデンマークは、幸福度やデザインなどにより、おとぎ話のような明るい印象が強いですが、その冬は長く、暗く、寒く、人々は太陽の光が届かない時期を過ごさなければなりません。 この時期に人々は、「自分は何者なのか?」と深く考えることになります。

こういったデンマークの一面を象徴する「光と影」。 影との対話によって自分自身を知る旅を描いたこの作品からインスピレーションを受けて、「The Shadow-by Aya Yoshida」という作品として制作しました。

-お客様の反応はいかがだったでしょう-

本当に光栄なことに、「美しかった」というご感想をたくさんのお客様からいただきました。 同時に、映像、書、照明、音楽、言葉の一体感により、「オペラを体感した」、オペラ「影 “Skyggen”」の世界に入った気がした」という感想もいただきました。

2.ミライフ®の評価

-ミライフ®をスクリーンやランタンなどに利用されて、いかがだったでしょうか-

スクリーンの素材であるミライフ®について、「この素材はなに?」という率直なご質問をたくさんいただきました。 パフォーマンスの終了後、実際にスクリーンにお手を触れられている方もいらっしゃいました。 ポリエステル製であるため、可燃性を勘案して防炎剤を塗布して使用いたしました。 また、紙と異なり水にも強いので、安心して使うことができました。 また、細かい繊維の流れが「書」、映像や照明と交わると本当に美しく、紙では表現できない新たな可能性を発見できる喜びを、アーティスト一同で感じることができました。

また、ミライフ®を搬送する際や制作作業などで、どうしても発生してしまう皺ですが、それもまた新たな「味」となり、偶然にも作品に一花添えてくれた形となり、大変に興味深かったです。

-本イベントのポスターをミライフ®に印刷したA2サイズの作品をお客様に配布いたしました-

多くのお客様に喜んでいただきました。 公演後も追加で欲しい、というお声掛けまでいただきました。 会場に飾ったA1サイズのものは迫力があり、表現の力強さがパフォーマンスとリンクしているようで、新たな作品として楽しませていただきました。

-デンマークを活動の場とされている吉田さんの、作曲家としての今後の活動を教えてください-

デンマークでの活動はもちろん、日本やヨーロッパ諸国での幅広い活動を視野に入れています。 今まで以上に、場所や分野にとらわれず、様々な形で現代音楽とのコラボレーションを試みたいと思います。

今回のイベントを機に、少しでも多くの方に、現代音楽や北欧デンマークの文化に触れる機会を持っていただけるように活動を拡げていきたいです。

 

吉田代表、ありがとうございました。デンマークと日本でのご活躍を祈念しております。

 

ビジュアルを担当された、書家の中塚翠涛先生にご感想をお聞きいたしました。

3.書とミライフ®

-ミライフ®に書を制作された感想をお聞かせください-

和紙にはない滲みや掠れの表情に新しい創作のイメージが湧きました。 日本の伝統文化である書を、新しい技術(ミライフ®)と組み合わせ、どんな表現ができるかを楽しませていただきました。

現地で活躍するアーティストの皆様やお客様とのコミュニケーションのきっかけにもなったように思います。

 

中塚先生、ありがとうございました。 何かの機会に、ミライフ®もご活用いただけるとありがたいです。