帽子に引き続き、今回はミライフ®で洋服に挑戦です。 洋服の製作は、有限会社大野デザイン事務所の江部さんにお願いしました。 同事務所は自社アパレルブランドの展開や、企業、商社のアパレル、アクセサリー、雑貨などのODM、OEMを請け負われています。
1.ミライフ®(ポリエステル不織布)でワンピースを作ってみた
ミライフ®は強度補強にも使用される長繊維不織布であるため、布生地や、スパンボンドなどに代表される不織布とは特性が異なります。 和紙の風合いをもつミライフ®を洋服向けにデザインした場合、どうしても平面的な素材感が先行してしまいます。 洋服に仕立てるには、ボリューム感も表現しなければなりません。
<ミライフ®に各種加工を施し、ボリューム感を持たせる>
-ミライフ®で、洋服本来が持つ立体感などを表現するには、どういったことを考えられましたか-
ミライフ®は、皺加工、プリーツ加工、クレープ加工など種々の加工ができるとお聞きしましたので、今回はクレープ加工を施したものをベースにデザインを行いました。
-ミライフ®の縫製に、問題はありませんでしたか-
ミライフ®は、布生地と比較して縫製時に裂けやすい素材でした。 ミシンの下送り歯で破けることもあり、縫製には苦労しました。
-対策はありますか-
縫製時の破れ、裂けについては、ミライフ®と他素材の生地を合わせて二重仕立てで縫製することで防ぐことができます。
2.ミライフ®(ポリエステル不織布)でカッターシャツを作ってみた
<ミライフ®をクレープ加工し、可動性を持たせる>
洋服は、我々が着衣して動き回る以上、腕や肘にあたる部分が心地よく伸縮することが必要です。 また、肌に直に触れる部分が多いため、やわらかい素材感も必要となります。 伸縮性ややわらかさは、本来のミライフ®には持ち合わせていない特性であるため、洋服に仕立てるには工夫が必要です。
-腕、特に肘の伸縮性を持たせるのに、どういった工夫をされましたか-
ワンピースを作成するときと同様に、カッターシャツの腕の部分にクレープ加工を施し、肘の部分がうまく曲がるようにしてみました。 クレープ加工は、素材に立体感を出すことができ、またデザイン的にも独特な風合いを醸し出すことができました。
<オケージョンシーン向けの衣服素材>
-ミライフ®の素材感を生かす衣服とは、どういったものだと思われますか-
ミライフ®は、布生地と比較して柔らかさに欠けます。 その反面、形状が崩れないしっかりした素材です。 また、軽量にもかかわらず容易にボリューム感を出すこともできます。 こういった素材の場合、普段着ではなく、オケージョンシーン(特別な行事の場面)のドレスなどに向いていると思います。 洋服だけでなく、ドレスに合ったバッグや小物にも向いていると思います。
江部様、今回は無理をお聞きいただきありがとうございました。
次なる挑戦は着物や帯です。 軽量な着物、魅力的だとは思いませんか?
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