ミライフ®の持つ和紙のような風合いを生かし、手持ち扇子の作成に挑戦してみました。 今回は、京都の老舗扇子屋さんである株式会社舞扇堂様にご協力をお願いいたしました。 京都市内に直営店を3店舗、ネット販売も手掛けられ、オリジナル扇子も仕立てることができる扇子屋さんです。

 

平安時代に京都で作られたのが始まりとされる京扇子。 貴族向けだった京扇子も、長い年月をかけて徐々に庶民にも普及し、現在では国内扇子の90%以上のシェアを誇ります。

1200年以上の歴史のある京扇子とミライフ®。 どんな出会いがあるのでしょうか。

 

1.両面貼り扇子

皆さんが一度は手にしたことがあると思われる手持ち扇子。 まず、両面貼り扇子に挑戦です。

基本的には、「扇骨」と呼ばれる扇子の竹の部分と、「地紙」と呼ばれる扇面の紙の部分から構成されます。 その製作には何十にも及ぶ工程があり、一つひとつ手作業で行われ、扇子一本一本が丁寧に作られます。 地紙加工で和紙が糊で貼り合わされたあと、更に加飾、折り加工が施され、仕上げの工程で扇骨と地紙が合わされます。

地紙にミライフ®を使ってほしいと気軽にお願いしたもののハードルは高そうです。

同社別注課長の木下様にお話しをお聞きしました。

<竹、紙、のり、扇子には天然物の組合せが重要>

―扇子を作るには、なぜ素材の組合せが重要なのでしょうかー

例えば紙扇子で用いられる素材には、親和性が必要です。 竹も紙も水に触れれば伸びますし、乾けば縮みます。 同じように伸縮をしないとうまく貼り合せることはできず、竹と紙の貼り合せには欠かせない特性です。 また、糊と竹・紙の相性も同じように重要です。

 

―ミライフ®を地紙に使うことに問題はありますかー

ミライフ®はポリエステル製であるため、水にぬらしても伸びもしなければ縮みもしません。 また、ミライフ®に相性のいい糊を探さなくてはなりません。 地紙として使うには、試行錯誤しながら、いろいろな工夫が必要で簡単ではありません。

 

<ミライフ®(ポリエステル不織布)の持つ和紙の風合いを生かす>

まず、第一弾として、地紙の主役にミライフ®を使わずに、扇面紙の表面にミライフ®をラミネートして試作をして頂きました。

白地と黒地の扇面紙を使用した、とても綺麗な両面貼り扇子です。

ミライフ扇子

ミライフ®製両面貼り扇子

―出来栄えはどうですかー

接着方法にもう少し工夫が必要です。 手持ち扇子として実用的に使うというよりは、展示品として鑑賞して頂くほうがいい試作品となりました。 ミライフ®の持つ風合いは十分に表現できていると思います。

ミライフ扇子

ミライフ®製両面貼り扇子

ミライフ扇子

ミライフ®製両面貼り扇子

2.片面貼り扇子

次は、扇の片側に扇面紙を貼った片面貼り扇子に挑戦です。

扇骨が地紙の中を貫く両面貼り扇子とは構成が異なります。 片面貼り扇子には、布やスカーフ、ハンカチなどの生地も扇子に仕立てることができます。

片面貼り扇子ならば、ミライフ®単独で扇面紙に使うことはできるでしょうか?

 

―ミライフ®の加工はいかがだったでしょうかー

片面貼り扇子も、両面貼り扇子と同じく、糊との相性が重要です。 布扇子もそうですが、表面に糊加工をして「折り目」を付ける必要があります。 ミライフ®の場合、糊を均等にのせる工夫が必要です。

 

<紺地に生えるミライフ®(ポリエステル不織布)の紋様>

今回は、和紙と絹にミライフ®を貼り合せ扇面紙とし、「折り目」を付けた片面貼り扇子を製作しました。 両面貼り扇子と同様に、白地と紺地にミライフ®の持つ繊維柄が生えます。

ミライフ扇子

ミライフ®製片面貼り扇子(表)

ミライフ扇子

ミライフ®製片面貼り扇子(裏)

 

―出来栄えはどうですかー

ミライフ®の場合、折り目を付けることが容易ではなかったため、和紙などに貼り合せる処理をいたしました。  和紙とミライフ®を貼り合せた接着に、まだまだ課題があります。 ミライフ®の意匠性は十分に鑑賞できるので、第一弾の試作としてはまずまずだと思います。

ミライフ扇子

ミライフ®製片面貼り扇子

ミライフ扇子

ミライフ®製片面貼り扇子

舞扇堂の木下様、いろいろとお試し頂き、誠に有難うございました。

 

株式会社 舞扇堂様HP: http://www.maisendo.co.jp/