みなさんが外套をまとうようになると、そろそろ秋も終わり、冬の到来を感じます。 ウールのセーターは暖かいですね。 また、ダウンが中綿として使われているジャケットもよく見かけます。 これらの素材にはどういう機能があるのでしょうか?

どうやって保温性が発揮されるの?

ウールのセーターや羽毛のジャケットが暖かいのは、衣類の中に大量の空気を含んでいるからです。 体温で衣類の内側が暖められても、繊維を伝わって熱が外部に逃げてしまっては、保温することはできません。 空気は、繊維よりも熱を伝えにくいため、中に空気を含んだ衣類ほど保温の性能が高いということになります。 したがって、衣類の「素材や繊維」自身に空気を多く含むものが使われたり、衣類の内部に空気を含む「構造」とすることで、保温性が高められます。 一方、外気に触れる衣類の表面は、衣類内部の熱が逃げないような素材が使われます。

ダウン

更に求められる性能とは?

衣類で保温性を高めるためには、衣類の内部には多くの空気を保持できる素材を用い、衣類の表面には熱が逃げない素材をつかうことが好ましいと書きました。 これらを実現するために、種々の繊維や素材が用いられています。

また、素材の研究開発が進むにつれ、保温性に優れながらも、より軽い素材が求められるようになりました。 より軽く、より暖かい素材。 理想的な素材の研究開発がすすめられた結果、繊維自身が、①中空な構造で内部に空気を蓄えるもの、②水蒸気で発熱するもの、③熱を蓄えるもの、などが商品化されています。

FINEPOLYGON®(ファインポリゴン®)

 

不織布で保温性の高い衣類を作る

一般的に、不織布は、まずウェブと呼ばれる繊維をシート状にしたものを作り、次にウェブの繊維を結合させることで製造されます。 ウェブの作り方、結合の方法により、様々な種類の不織布が作られます。

このような方法で製造される不織布は、織物とは異なり変形しにくいため、衣類では「芯地」として使用されるケースが多いです。

いわゆる防寒着には、中綿として綿や羽毛が使われてきました。 それら天然素材に替わって、化学繊維でできた不織布も多く使用されるようになりました。 上述したように、保温には、空気を多く取り込むことが必要であるため、繊維自身に空気を取り込む構造のものや、繊維と繊維の間に空気を保持できるものなどが、数多く開発されています。

シート状の不織布で保温性を高める

一方、いわゆる「綿状」になった不織布ではなく、不織布のシートに「シワ加工」を施すことで、新たなシート状立体保温素材が開発されています。 これは、ミライフ®をシワ加工したFINEPOLYGON®(ファインポリゴン®)という素材で、株式会社finetrackが開発したものです。FINEPOLYGON®(ファインポリゴン®)

従来の中綿素材である羽毛や化学繊維にはない、高い通気性や速乾性を持ち、「濡れ」に対する嵩高性(かさだかせい)の保持力にも優れます。

FINEPOLYGON®を使用した保温着、テント、寝袋などが開発され、高機能を望まれるハードユーザーを中心に広まっています。

FINEPOLYGON®(ファインポリゴン®)

FINEPOLYGON®(ファインポリゴン®)

これからの不織布衣類

温暖化がすすむ環境の変化を考えると、夏場にも涼しい衣類が望まれるところです。 物理的に「冷やす」ことは容易ではありませんが、体熱を衣類を通して外部に放出することができれば、涼しく感じることができ、暑さをしのぐことができるでしょう。 熱のやりとりを調整できるような繊維も実用化されいます。

 

FINEPOLYGON®(ファインポリゴン®)

今後、更に、いろいろな繊維が開発され、それを利用した不織布には、これまでにない新しい機能が備わることでしょう。 不織布は、織物とは異なり、ランダムな構造で強度に方向性を持たず、繊維が「結合」されているためにほつれません。 また大量生産が可能で、コスト競争力に勝ります。 不織布の応用範囲が、更に広がることが期待されます。

会社情報

株式会社finetrack: https://www.finetrack.com/