第2回 エチレン、プロピレンができるまで

 

(1)ナフサができるまで 

原油から石油製品がつくられることを石油精製(Refining)、原油の精製工場は製油所(Refinery)と呼ばれています。

製油所に運ばれてきた原油は、常圧蒸留装置(トッパー)や分解装置によって、LPガス、ガソリン・ナフサ、灯油、軽油、重油などのさまざまな石油製品が生産されます。原油は産出される油田ごとに含まれている留分が異なり、ガソリン留分を多く含む軽質原油や、重油留分を多くむ重質原油など、さまざまな種類が存在します。

トッパーで蒸留(分留)され、大きく5つに分けられた各留分は、その後、脱硫(硫黄分などの不純物を除去する)、改質とアルキル化(高オクタンガソリンを製造する)で代表されるさまざまな装置を経由して最終的な石油製品となります。この製品のひとつであるナフサが石油化学品の原料になります。

昨今は、燃料油の国内需要の減少(特にC重油)が顕著である一方、アジアでは石油化学品の需要が増加しているため、蒸留したボトム留分から、価値の高い石油化学品を優先とした生産をしています。

ナフサができるまで

 

(2)エチレン、プロピレン

石油化学品には基礎化学品と基礎化学品から誘導される誘導品があり、基礎化学品はエチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン系炭化水素とベンゼン、トルエン、キシレンの芳香族炭化水素に大別されます。

日本の石油化学原料はナフサがほとんど占めていますが、ナフサに代わる原料としてLPガス、NGL(天然ガス液)、軽油留分の使用が進められてきています。日本ではナフサの約50%を中東などから輸入していますが、原料の多様化は中東依存度の低下、調達コストの低減をはかるものです。

エチレン、プロピレンは、ナフサを原料としてブタジエンやベンゼンなどと連産して生産されます。ナフサ分解装置でナフサを高温の水蒸気と混合して、約800℃で熱分解すると、エチレン(約30%)、プロピレン(約15%)、ブチレン、ブタジエン(約10%)、ベンゼン、トルエン、キシレン(約20%)などの混合物ができます。その他には水素、メタン、エタン、炭酸ガス、分解重油などが生産されます。

エチレンとプロピレンは、現代の化学産業では最も重要な基礎化学品といえます。炭素、炭素の二重結合を持った最も単純なオレフィンです。この二重結合が適度に反応性に富むので、これらを出発原料として、多くの重要な有機化学品や高分子化学品がつられています。

また、キシレンは、オルソ‐キシレン、メタ‐キシレン、パラ‐キシレンの混合物ですが、その中でパラ‐キシレンから合成されるポリエチレンテレフタレートがミライフ®の原料になります。

ナフサ分解装置

 

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