夏場、ビニールハウス(以下ハウス)の中はとても高温になります。湿度も高く、例えて言うならサウナのような状態で、作物に最適な条件を整える必要があります。
そこで活躍するのが遮熱ネットです。当社では「明涼」シリーズとして遮光率の異なる4種をラインアップしています。この明涼は、赤外線を効率よく反射し、植物の光合成に必要な可視光線を出来るだけ透過させることで、ハウス内を明るく保ちながら、温度の上昇を抑制します。
ワリフ®明涼50をビニールハウスに張ると温度が上昇しない!???
今回は「ワリフ®明涼50」をハウスに展張した時の温度上昇についてまとめてみました。
1.場 所: 千葉県富里市(菊栽培農家の遠藤様)
2.調査日: 2016年8月9日(火)晴れ
3.ハウス:(1)サイズ 幅5.4m×長さ52m
(2)検証に使用した素材
①農POフィルム(農業用ポリオレフィン系特殊フィルム)のみ
②農POフィルム+遮熱ネット(黒)(*1)外掛け
③農POフィルム+ワリフ®明涼50 (*1)外掛け
(*1)外掛け:農POフィルムで建てられたハウスの外側へ別の素材を展張すること。
4.測定方法
(1)測定器: おんどとり(T&D社製)
(2)場所: ハウス内の地面から高さ50cmの場所に固定
(各ハウスの中央付近に1ヵ所)
(3)測定時間: 5分間隔で自動計測
5.結果
(1)農POフィルムのみとの比較
ワリフ®明涼50と、農POフィルムのみの場合を比較すると、日中時間帯(8:30~17:30)の平均気温で約8℃低くなることが分かりました。
明涼シリーズには「赤外線遮蔽材」が使われており、日射中の赤外線を効率よく反射した結果と思われます。特に外気温が高くなる日中は、直射日光によりハウス内の気温も高温になります。当日、農POフィルムのハウス内の最高気温は51.9℃(13:03)を記録しましたが、同時刻の明涼50ハウス内は33.7℃で、その差18.2℃でした。一方、明涼50ハウス内の最高気温は37.4℃(14:28)で、同時刻の農POフィルムのハウス内は41.9℃でした。ちなみに、千葉県北東部における当日の最高気温は33.2℃でした。
(2)遮熱ネット(黒)との比較
ワリフ®明涼50と、遮熱ネット(黒)と比較すると、日中時間帯(8:30~17:30)の平均気温で約4℃低くなりました。遮熱ネット(黒)のハウス内の最高気温は43.9℃(14:03)で、同時刻の明涼50ハウス内は34.3℃だったことから、(1)の比較と同様、ハウス内の気温上昇を抑えることができました。
植物の生育には光合成が必要です。明涼は、光合成に必要な可視光線をできるだけ透過させるため、展張によって光合成が妨げられるわけではありません。
ワリフ®明涼シリーズの特長はこれだ!
■遮熱性: 熱源である赤外線を反射することでハウス内温度の上昇を抑制します。
■遮光性: 可視光線の遮光率は、明涼20で約20%、明涼30wで約30%、明涼40で約40%、明涼50で約50%です。
■耐久性: 紫外線劣化防止剤が添加されており耐久性に優れます。
■通気性: 開口率が約40%のネット構造です。適度な通気性があります。
■形状安定性: 伸び縮みがありません。交点は熱圧着されており、はさみなどで加工してもカット面の目ずれがありません。